精確・迅速・激烈

2027年1月までの日々

【新聞】安藤礼二『大拙』(日本経済新聞と朝日新聞にそれぞれ書評が掲載)

安藤礼二『大拙』の書評

2018年12月8日・日本経済新聞朝刊32面より

f:id:KCYS:20181208162004j:plain

文明開化を迎えた明治日本において、第四高等中学中退の大拙は、その制度の外を生きるしかなかったが、そこから次第に「近代文明」では拾い切れない「心」の領域へと踏み入ってゆく。


2018年12月8日・朝日新聞朝刊22面より

f:id:KCYS:20181208162240j:plain

大拙の禅は、なにより体験を重んじる。ただし単なる体験ではない。「一即多、多即一」であらわされる華厳的な「真如」でなければならない。しかし、この華厳的な体験がアメリカのプラグマティズムの哲学者、ウィリアム・ジェイムズの唱えた「純粋経験」と繋(つな)がっていたとしたら、どうだろう。

見落としてならないのは、こうした数多(あまた)の軌跡が「翻訳」を通じて生み出されたことだ。(中略)いっそ、禅とは「翻訳」の極意なのだと言ってもいい。その意味で、『大拙』に前後して言語学者、井筒俊彦の初の英文著作が同じ安藤の監訳で世に出たのは偶然ではない。


リンク

大拙

大拙

言語と呪術 (井筒俊彦英文著作翻訳コレクション)

言語と呪術 (井筒俊彦英文著作翻訳コレクション)