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【読了】「「経済的な堀」を持つビジネス」ガイドブック - 『千年投資の公理 』パット・ドーシー

俺のバイブル。これまでハードカバー版を何度も読んでいるが、この度、Kindle版も購入したので、何度目かよくわからないぐらいの再読。本当に素晴らしい本。

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千年投資の公理 (ウィザードブックシリーズ)

千年投資の公理 (ウィザードブックシリーズ)

  • 作者: パット・ドーシー,鈴木一之,井田京子
  • 出版社/メーカー: パンローリング
  • 発売日: 2008/12/05
  • メディア: ハードカバー
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目次

序文 行動計画
第1章 経済的な堀
第2章 誤解されている堀
第3章 無形資産
第4章 乗り換えコスト
第5章 ネットワーク効果
第6章 コストの優位性
第7章 規模の優位性
第8章 侵食される堀
第9章 堀を探す
第10章 ビッグボス
第22章 肝心なこと
第12章 堀の価値はどのくらいか
第13章 評価のためのツール
第14章 いつ売るか
結論 投資は数字だけではない

引用

位置: 68

私は「経済的な堀」を持つビジネスを構築したいと思っていた。ウォーレン・バフェットが発明したこの言葉は、城を守る堀のように、競合他社から企業を守る継続的な優位性を意味している。

位置: 86

多くの人たちが、「義理の兄が勧めたから」とか「金融雑誌で読んだから」という理由で投資先を選んでいる。また、日々の株価変動や、短期的なマーケットスイングについて尊大に語る評論家に惑わされることもよくある。それよりも、明確な考えに基づいて株を評価し、道理にかなったポートフォリオを構築するほうがずっと良い。そして、このとき堀が非常に重要な役割を果たす。

位置: 146
  1. 長期間にわたって平均以上の利益を上げることができる企業を探す
  2. その企業の株価が本質的価値より安くなるまで待ってから買う
  3. 企業価値が低下するか、株価が割高になるか、さらに優れた投資先が見つかるまで、その銘柄を保有する。保有期間は、月単位というよりも年単位で考える
  4. この手順を必要に応じて繰り返す
位置: 238

しかし、株価が安くなる前、つまり新聞の見出しが「成長」から「苦難」に変わる前に堀を分析しておけば、そのトラブルが一時的なものなのか、それとも末期的なものなのかを判断するための洞察を数多く得ておくことができる。

位置: 264

堀は、経営陣の優秀さに頼るものではない。つまり、配られたカードでどうプレーするかではなく、初めから持っているカードのほうが重要なのだ。

位置: 272

①素晴らしい製品、②大きなマーケットシェア、③ムダのない業務執行、④優れた経営陣――などが「誤解されている堀」の代表的なもの

位置: 319

肝心な点は、企業が大きなマーケットシェアを持っているかではなく、そのシェアをどのようにして獲得していったのかということだ。それが分かれば、企業が現在の支配的な地位をどの程度守れるかについても深い洞察を得ることができる。

位置: 328

規模が企業の競争上の優位性を助ける場合はあるが、それが単独で経済的な堀となることはほとんどない。同様に、大きなマーケットシェアも必ずしも堀とはならない。

位置: 357
  • ブランド、特許、行政の認可などの無形資産を持つ企業は、ライバル企業がかなわない製品やサービスを販売できる
  • 販売している製品やサービスが顧客にとって手放しがたいものであれば、乗り換えコストが少しでも余計にかかることによって顧客離れを防ぎ、価格決定力を企業のほうに与える
  • ネットワーク経済の恩恵を受ける一部の幸運な企業には、長期間ライバルを閉め出すことができる強力な経済的な堀がある
  • 最後に、生産過程や場所、規模、独自のアクセスなどによって製品やサービスをライバルよりも安い価格で提供できる企業にはコスト上の優位性がある
位置: 384

『ビジョナリーカンパニー2』(日経BP社)のなかで、著者のジム・コリンズは、「偉大さに環境は関係ない」と書いている。ただ、筆者はこれに謹んで反論したい。

ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則

ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則

位置: 403

ブランドが経済的な堀を築くのは、それが消費者のさらなる支払い意欲を促すか、もしくはさらなる顧客を囲い込める場合に限られる。

位置: 448

ブランドに基づく経済的な堀は、ブランドがそれまでの輝きを失ったとき、価格にプレミアムを上乗せできなくなるという大きな危険をはらんでいる。

位置: 452

要するに、ブランドが永続的な優位性を生むこともあるが、重要なのはブランドの人気よりも、それが顧客の行動に影響を与えるかどうかだ。

位置: 473

モーニングスターでは、分散された特許のポートフォリオと刷新を重ねてきた実績がある企業でなければ、堀があるとは認めない。

位置: 666

洋服を探して何軒も店を見たり、雑貨店で違うブランドの歯磨きを買ったりするのに労力がほとんどかからないため、小売店やレストランは堀を作るのが非常に難しくなっている。ウォルマートやホームデポなどの企業は規模の効果によって堀を築き、コーチなどはブランドを強化することでこれを実現しているが、多くの消費者志向の企業は乗り換えコストが安いため苦労している。

位置: 803

ネットワーク経済の恩恵を受けている可能性がある企業を精査するときは、もしそのネットワークがほかの参加者に開放されたらどうなるかを考えてみるとよいかもしれない。  

位置: 860

ちなみに、価格の反対はもちろんコストであり、企業はライバル社よりも低コストを維持することでも、堀を掘ることができる。

位置: 960

ただ、ライバル社が怠惰だったり苦戦していたりすることでできた堀は、さほど強力とは言えない。プロセスによるコスト的な優位性は、ライバル社がそのプロセスをまねたり独自の方法を開発したりすれば消滅してしまうため、このような堀は注意深く観察しておく必要がある。

位置: 1,033

大雑把に言えば、固定費の割合が変動費よりも高ければ、規模のメリットが大きく、その業界は統合に向かう傾向がある。全国規模の宅配業者や自動車メーカーやマイクロチップ生産者は2~3社しかないのに、小規模の不動産業者やコンサルタントや法律事務所、会計事務所などは何千とあることは驚くに当たらない。弁護士を1000人抱える法律事務所は、弁護士が10人の事務所に対してコスト的な優位性はない。

位置: 1,196

なかには、労働コストの差があまりにも大きいため、運送コストを相殺して、場所による堀が消滅してしまった企業もある。アメリカの木製家具業界がこれを経験している。

位置: 1,256

賢明なる投資家になってよいことのひとつは、自分の思いどおりの行動ができるということである。どこか特定の業種に無理に投資する必要はなく、投資の世界全体を洞察力を持って自由に観察し、嫌いなものは無視して好きなものを買えばよい。

位置: 1,654

まずは数字を見るが、それは単にスタートでしかない。企業の持つ競争上の優位性の強さを注意深く考え、それによってライバル社を食い止めることができるか、あるいはできないかが次の重要なステップとなる。

位置: 1,704

簡単な質問なので簡単に答えると、株価の価値は将来その企業が生み出す現金の現在価値と言える。

位置: 1,731

本質的価値の算出方法に興味があれば、会計と評価についてさらに詳細に説明している拙著『ザ・ファイブ・ルールス・フォア・サクセスフル・ストック・インベスティング(The Five Rules for Successful Stock Investing)』を勧めたい)。

位置: 1,761

企業の評価を慎重に見極めることで、予想可能な将来の投資リターン(財務実績)の影響を最大にし、予想できない部分(ほかの投資家の熱意や悲観)の影響を最小にすることができるのである。だれだってトレードは有利なほうがよい。

位置: 1,938

売りを検討するときは次の質問をして、もしイエスという答えが一つ以上あれば、すぐに売ろう。

  • 自分は間違っているか
  • その企業のファンダメンタルズは悪化しているか
  • ほかにもっと良い投資先はあるか
  • このポジションがポートフォリオのなかで大きくなりすぎていないか
位置: 2,001

株価が下がったから売るというのは、企業の価値も一緒に下がったのでなければまったく意味がない。

位置: 2,003

保有している株を売る時期を判断するのに、その銘柄の過去のパフォーマンスを参考にしたい気持ちはよく分かる。しかし、大事なことは企業が将来どうなるかであって、過去の株価の動きではない。

位置: 2,019

朝、筆者が目を覚ますのは、何千もの企業が「目の前のライバル社よりも儲けるにはどうすればよいか」という同じ問題を、それぞれどう解決するのかが見たいという欲求だ。

位置: 2,034

本当に優れた投資家になるためには、幅広く情報を集めなければならない。まず、手始めに主な経済・金融紙(ウォール・ストリート・ジャーナル、フォーチュン、バロンズなど)は、頭の中の企業データベースを拡大してくれる。知っている企業が多いほうが、比較をしたりパターンを見つけたり、優位性を強める(または弱める)テーマを見つけたりすることが楽になる。短期のマーケット動向やマクロ経済のトレンドや金利予想などについて読むよりも、企業に関する記事を読んだほうが投資のプロセスでは、はるかに価値があると筆者は考えている。1冊の年次報告書のほうが、FRB議長のスピーチ10回分よりずっと価値がある。

位置: 2,040

出版物からの情報収集が習慣になったら、次は成功したマネーマネジャーに関する(または彼らが書いた)本も読んでほしい。結局のところ、投資で「実際に成功した」人たちから学ぶのに勝ることはない。

位置: 2,044

最後は、最近増えている投資判断の下し方に関する本だ。これらの本の多くには、判断プロセスには隠れた先入観があふれているといったたぐいのことが書いてある。『賢いはずのあなたが、なぜお金で失敗するのか』(ゲーリー・ベルスキー、トーマス・ギロヴィッチ著、日本経済新聞社)、『なぜビジネス書は間違うのか――ハロー効果という妄想』(フィル・ローゼンツワイグ著、日経BP社)、『ユア・マネー・アンド・ユア・ブレイン(Your Money and Your Brain
)』、ジェイソン・ツバイク著)などの本は、判断プロセスの弱点を見つけ、賢い投資判断を下す助けとなってくれる。

賢いはずのあなたが、なぜお金で失敗するのか

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  • 作者: ゲーリーベルスキー,トーマスギロヴィッチ,Gary Belsky,Thomas Gilovich,鬼沢忍
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2000/09
  • メディア: 単行本
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  • 作者: パット・ドーシー,鈴木一之,井田京子
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