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2027年1月までの日々

【読了】要するに「温故知新」 - 『RE:THINK:答えは過去にある』スティーヴン・プール

書店でなんとなく手にとって購入。途中まで面白く読み進めたのだが、「プラシーボ効果」あたりから、衒学的というか抽象的というか、ぶっちゃけて言うと一気に面白くなくなった。メルカリに出す。

おんこ‐ちしん【温故知新】
〘名〙 (「論語−為政」の「故ふるきを温たずね、新しきを知る」から) 昔のことを研究して、そこから新しい知識や道理を見つけ出すこと。

精選版 日本国語大辞典より

と言うありがたい四文字熟語を1冊丸々かけてダラダラ語った本。疲れた。

書影とAmazonリンク

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RE:THINK(リ・シンク):答えは過去にある

RE:THINK(リ・シンク):答えは過去にある

目次

 1 はじめに 再発見の時代
第1部 テーゼ
 2 古きものの衝撃
 3 欠けていたピース
 4 ゲームチェンジャーたち
 5 まだ追いつかないの?
第2部 アンチテーゼ
 6 太陽の下には新しいものもある
 7 陪審はまだ外で協議中
 8 ゾンビの攻撃
 9 まちがえる方法
 10 プラシーボ効果
第3部 予測
 11 もどってきたユートピア
 12 善悪の彼岸
 13 信じるのはちょっと待って
 14 エピローグ 未来へ帰る

引用

22ページ

アイデアはものごとであると同時に過程でもある。しかも、その過程が啓発へ至る長いひとつづきの後身であることはまずない。

28ページ

ロンドン大学キングズ・カレッジの戦争学教授ローレンス・フリードマンが著書『戦略の世界史』で示しているとおり、危機が生じたとき、現代の戦略家たちはくり返し意識的に軍事的考察の個展に立ちもどるようにしてきたのである。

本書出版時点では未訳だったが、先日上下巻合わせて7,560円で出版されたので、その部分を修正して引用。大部だが読んでみたい。

戦略の世界史(下) 戦争・政治・ビジネス

戦略の世界史(下) 戦争・政治・ビジネス

戦略の世界史(上) 戦争・政治・ビジネス

戦略の世界史(上) 戦争・政治・ビジネス

42ページ

おわかりのように、ストア主義とは単なる忍耐ではないし、あたたかく穏やかなものでもない(現にフリードリヒ・ニーチェは”自己独裁”と呼んだ)。だが、飛行機やスマートフォンが存在する時代になっても2500年前と同じように日常生活に応用がきく。

43ページ

現代にはまったく新しい考えが必要だという思いこみを打ち消す例が、馬に乗った特殊部隊、あの少年の耳から血を吸ったヒル、そして2000年も前に考案された強力な自己啓発の現代的再発見なのである。

69ページ

ゼンメルヴァイスの手洗いをばかにした産科医らは、信頼できる理論の裏づけがないと文句を付けた。その言いぶんは正しかった。裏づけはなかったのだから。

71ページ

大ヒットした青い錠剤バイアグラは、元々狭心症の治療のために開発された。男性被験者らがただならぬ副作用を報告し、残りの錠剤の返却を断固として拒んだことから、ファイザーの研究者クリス・ウェイマンがべつの利用法を開発し、最終的に市場に出たのである。

93ページ

古典的な兵法書である『孫子』も、ほとんどはさまざまな地勢での会戦についての詳細が書かれているが、くり返し別の目的に利用され、銀行家やギャング、スパイのための日なる自己啓発書となっていった。

131ページ

戦争において、新技術がそれ以前の概念をまったく無用なものにしたと思われる唯一の例がある。しかしそれは強烈な例だ ー 原子爆弾である。アメリカの軍事史研究者・軍事理論家バーナード・ブロディは、広島と長崎への核攻撃について最初に耳にしたとき、妻にこう言った。「わたしが書いてきたものはすべて、今や時代遅れになった」

134ページ

新兵器の支持者のひとり、ジェイムズ・E・カーライト大将はこう認めている。「小規模にするということは、兵器をより現実味のあるものにすることだ」。そしてまさにそれゆえに、「戦略的な」小規模核兵器は冷戦を通じて避けられていたのだった。

152ページ

そのような瞬間に、近藤麻理恵はいかにも楽しげに日本のアニミズムの伝統を呼びさます。それによって生気のない物質に精神なり魂なりを吹きこむのである。時代遅れの宗教的迷信に聞こえるかもしれないが、世界じゅうの多くの思想体系のなかに何度も再来している考えだ。

191ページ

神話や都市伝説が非常に長く生き残るひとつの理由は、わたしたちが単純な説明を好み、それを信じがちだからだと思われる。

194ページ

現在わかっているなかで最も興味深い当局の陰謀は、おそらく中国で起こったものだ。500年の歴史を持つ天安門が1960年代に倒壊しそうだとわかったとき、密かに少しずつ、正確な複製に置き換えられた。陰謀は成功し、3000人近い人々が関与しながらも、何年ものあいだ秘密が守られた。陰謀など起こらないという考えは、大衆の鎮静剤として有効であり、権力者にとっては防火壁なのである。

202・203ページ

ウォーレン・バフェットについて。

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239ページ

なんの驚きもなく正しいよりも、ティコ・ブラーエの革新的だが正しくはなかった太陽系の図式のように、刺激的ながら間違っているようが好ましい場合も多いのである。

ページ

「わたしがとても心を動かされたのは、依存者らが連絡をしてきてこう言うことだ。『これをわたしから取りあげないでくれ。病気のラベルを取りあげられたら、わたしがよくなる可能性は根本的になくなってしまう』」。

リンク

RE:THINK(リ・シンク):答えは過去にある

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RE:THINK 答えは過去にある (早川書房)

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