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【読了】人間の脳は、そもそも「投資」にむいてない - 『あなたのお金と投資脳の秘密 神経経済学入門 』ジェイソン・ツヴァイク

かなり長い間積んでいたのだが、もっと早く読めばよかったとちょっと後悔。いかに人間の脳が根源的に「(長期)投資」にむいてないかを、豊富な実験結果やデータを元に説く。そして、対処方法も。人間は投資家に生まれるのではない、努力してなんとか投資家っぽくなるのだ。


今は絶版になっているようで、定価は2,160円だが、Amazon だと新品が15,588円より・中古品が4,643円より(2019年2月27日時点)と、なんか高騰している。Kindle版もないので、 メルカリでもいいお値段。ただ、折に触れて読み返したいので、俺は手元に置いておく。

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あなたのお金と投資脳の秘密―神経経済学入門

あなたのお金と投資脳の秘密―神経経済学入門

目次

第1章 神経経済学
第2章 「考えること」と「感じること」
第3章 強欲
第4章 予想
第5章 自信
第6章 リスク
第7章 恐怖
第8章 驚き
第9章 後悔
第10章 幸福

引用

15ページ

要するに、投資脳は、人間がそうであるふりをしたがる、効率的で、一貫した、理論的なものとはかけ離れている。

27ページ

直感は数字をとらえた途端、それがどんな数字であれ、糊で固められたようにそこで止まってしまう。だからこそ、不動産会社の営業員はお客に、市場で最も高い物件を最初に見せようとする。

35ページ

熟考脳が何か他のこと(七桁の数字を覚えるような)を考えるのに忙しいと、衝動は簡単に熟考脳に打つ勝つことができる。一方、(二桁の数字を覚える程度で)他のことをあまり考えずにすむ時は、熟考システムは反射システムの感情的な衝動を抑えることができる。

49ページ

人もカエルのように、本質的に動きによって興奮する。投資家は、株式市場が「上昇している」とか「跳ね上がる」というような動きを示す動詞によって表現される時のほうが、「収益を出している」といった中立的な言葉でまとめられるよりも、株価が上昇しつづけると期待しがちだ。

55ページ

株価の動きは人の心を惑わす。ウォーレン・バフェットは言う。「私は株価を調べずに投資を考えるのが好きだ。株価を知れば、おのずと影響されるから」。

61ページ

儲けることは気持ちいい。そうとも。ただ儲かるのを期待することほど、気持ちよくはないだけだ。金銭的な行動の本質を案じする残酷な皮肉がある。投資する脳は、実際に利益を得る時よりも、期待する時の方が興奮するという生物学的な仕組みを備えるようになったのだ。

76ページ

実際、投資脳は「どのくらい可能性があるか?」よりも「どのくらい大きいか?」により関心が強い。

95ページ

規則性のないデータにパターンを追い求めるのは、人間の脳に備わった基礎的な機能である。

98ページ

人間は他の動物と違って、予想できないことが明白でも、未来を予想できるくらい賢いと信じている。

142ページ

「株式保有が長期プロジェクトなら」とダニエル・カーネマンは警告する。「その変化を常時追うのはとても危険だ。最悪だと言ってもいい。人間は短期的損失に非常に敏感だからだ。自分のお金を毎日数えると、みじめになる」。

151ページ

要するに、自己評価をする際は自分に嘘をついている。自分を平均と比べる場合には特にそうだ。一人一人の中に、自分の力を過大に思い込ませる詐欺師が潜んでいるみたいだ。技術や経験が少なければ少ないほど、そうではないと自信を持たせるために躍起になる。

178ページ

結論はこうだ。連続して成功すると、人は突然、純粋に無作為な皇帝に対して力を持っているように感じてしまう。たまたま「チャンス」がめぐってきただけなのに、今や「運」という守り神が(少なくとも一時的に)自分にはついていると思い込む。

194ページ

世の中で最も口にしづらい言葉は、「私は知らない」だ。

206ページ

四歳の子供は、「どうして?」と何度も繰り返し聞く癖がある。挙句に両親の知識の蓄えを使い果たしてしまう。「どうして?」と四、五回聞くことは、自分自身や誰か他の人の知識の限界を試すよい方法であ

213ページ

驚いたことに、どのくらいのリスクに耐えられるかは、その時の気分しだいなのだ。

226ページ

脳は常に最も簡単で可能は方法により決断することを求める。その際、脳は感情的コストも精神的努力(すなわち「認知コスト」)も、できるだけかけたくない。

236ページ

投資家が小型株や新業種に殺到する時、自分の知らない情報を他の誰かが知っているかもしれないと積極的に認めるようになる。

242ページ

2000〜02年や1973〜74年のような下げ相場を経験したことがなければ、自分は鋼のような神経を持っていると思い込むのたやすいものだ。投資の初心者はもっと金融の歴史を勉強するべきだ。ブームは常に破裂して終わる。そして、有頂天にあるトレーダーが最初の犠牲者になる。学ぶべき本が二冊ある。エドワード・チャンセラーの『バブルの歴史』と、チャールズ・キンドルバーガーの『熱狂、恐慌、崩壊』だ。

新訳 バブルの歴史 ──最後に来た者は悪魔の餌食 (ウィザードブックシリーズ)

新訳 バブルの歴史 ──最後に来た者は悪魔の餌食 (ウィザードブックシリーズ)

熱狂、恐慌、崩壊 (原著第6版) 金融危機の歴史

熱狂、恐慌、崩壊 (原著第6版) 金融危機の歴史

255ページ

リスクが鮮明であればあるほど、また簡単に想像できればできるほど、より恐ろしく感じられる。人は、「いかなる病気」による入院も保証する保険に、「いかなる理由」による入院も保証する保険契約の二倍支払う。「いかなる理由」は曖昧で、一方、「いかなる病気」は鮮明である。

269ページ

一般的に群れる動物は群れない動物と比べ、リスクに、より敏感だ。集まるグループが大きいほど、動物は危険からより早く逃げ出そうとする。だから多数が安全なのは、何も心配がない時だけだ。群衆の一部であることの心地よさはすぐに消える。

284ページ

よかれ悪しかれ、脳は、投資している銘柄の予想外の変化に対して、便器に腰かけた時と同じくらい素早く反応する。

296ページ

「誰もが知っている」ことに関係なく自分自身の洞察を持たなければ、市場が織り込んでいないものを知ることはできない。

307・308ページ

「投資する(investing)」という単語は、文字通り自分自身に(in)何かを着せる(vesting)ことだ。株を買うと、それを身にまとい、自分の一部となる。その瞬間から、それを脱ぐと想像することは苦痛を伴うものなのだ。

344ページ

つまり、しなかったことに対する後悔は、したことへの後悔より「際限がない」ようなのだ。

376ページ

新車のSUVやリフォームしたキッチンは、慣れるにつれて価値が薄れていく。一方、過去の経験はしばしば、振り返るとより肯定的になる。何かを得るために使ったお金は、時が経つにつれて、だんだん間違いだったように感じられる一方で、経験することに費やしたお金は、記憶が心地よいものになるにつれ、価値を増す傾向にある。

405ページ

アメリカ、中国、オーストラリアの調査によると、テレビを多く見る人ほど、幸せはとても高くて手が出ないものを変えるかどうかで決まると信じていて、生活への満足度も低かった。自分のお金と気分よく暮らすためには、テレビを消して、その時間を趣味や夜間授業や家族や友人との団欒にあてたほうがいい。

412ページ

明らかな教訓ー少なくとも短期的には、自制心は更新できる資源ではない。使うと、失われる。自制心はいとも簡単に使い果たされるため、必要な時に自制心をあてにするのは愚かなことだ。

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あなたのお金と投資脳の秘密―神経経済学入門

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