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【感想】読むかぎり、順風満帆 - 『メルカリ 希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間』奥平和行

感想、とっても順風満帆な成功譚

ものすごい読みやすいので、メルカリの履歴書として読む分には最適。ただ、大河ドラマ的な波乱万丈や、多士済々の梁山泊的活劇を期待したら、駄目。

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タイトルに「野心と焦りと挑戦の5年間」とあるし、目次などにも「誤算」「急げ!」「焦る理由」などとあるので。さぞや波乱万丈ハラハラドキドキ絶体絶命の大活劇が展開されるのかと思って手にしたのだが、読むかぎり、多少の波はあれど、とっても順風満帆な5年間を描いている。創業からたった5年で、ただの成功譚が綴られてしまった。

メルカリ  希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間

メルカリ 希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間


「超優等生企業」としてのメルカリ

なんとなくトラブルっぽい出来事をなんとかドラマチックなトラブルとして描こうとしているが、アプリの開発言語の切り替えにしろ、テレビCMの放送許可が下りるか否かにしろ、紙幣の出品の横行にしろ、メルカリ内部の問題やサービス自体が孕むトラブルを、当たり前に仕事としてこなして解決している描写が続く。他のベンチャー企業にしろ中小企業にしろ、日々の経営や仕事ってそういうものだと思うし、本書から読み取れるのは、その経営や仕事を上手くやる、極めて優等生的な企業としてのメルカリ像のみ。

後半それなりの紙幅を割いているアメリカでの挑戦に関しては、最大の試練として招待制によるユーザーの爆発的増加を挙げているが、これに関してはそもそも何が問題なのかもよくわからない。

新規上場セレモニーの最中も記者会見の際も、そしてテレビ出演の前後もあまり笑顔を見せることはなかった。
もともと喜怒哀楽を鮮明にするタイプではなく、端から見ていても感情の変化が分かりにくい。それにしてもこの日はいつにも増して冷静だった。やや緊張しているようにも見えた。

(14ページ)

上記引用部分で垣間見ることができる、創業者である山田進太郎氏の、一見、老成あるいは達観しているように見えながらも、内面はグツグツと煮えたぎっているカルマ的な部分には興味があるが、本書では描かれてなかった。

メルチャリ

自転車ライドシェアサービスの「メリチャリ」は、来年半ばぐらいでサービス終了すると予想しているので、それまでに一度試してみようと思う。せっかく福岡に住んでるし。

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メルペイ

フィンテック系サービスを模索している「メルペイ」も、キャッシュレスに関するプレイヤーとして一応注目はしているのだが、具体的なサービスがまだ何も出てこないので、なんとも言えない。

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メルカリポイントをメルカリ以外のサービスや店舗で使えるようにしたり、メルカリでの取引実績を元に信用創造してツケや割賦、融資などを展開、ぐらいはなんとなく想像できるのだが、じゃあ俺が想像する程度のサービスなら、それが魅力的か、メルカリである必要があるかと言われると……。驚きたい気持ちは強いのだが。

フリーマーケットとしてはこれからも愛用していく

とにかくユーザーである俺としては、出品したものがそれなりの値段でサクサク売れればそれ以上は求めないし、株主としては株価が上がってくれればそれでいいし、まずはこのまま「便利なフリーマーケット」として頑張ってもらいたい。

リンクと目次

単行本

メルカリ  希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間

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Kindle

メルカリ 希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間

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目次

プロローグ
1 誤算
2 再起動
3 唯一無二
4 急げ
5 焦る理由
6 逆転
7 求心力
8 アメリカ
9 青いメルカリ
10 成長痛
11 テックカンパニー
12 プラットフォーム
エピローグ
あとがき
フリマアプリの歴史

本の行方

メルカリの本なので、ちゃんとメルカリにて売却。ちょっと手こずったが、最終的に1,100円で売却。
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