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【読了】『セゾン 堤清二が見た未来』鈴木哲也

『セゾン 堤清二が見た未来』鈴木哲也

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『セゾン 堤清二が見た未来』鈴木哲也
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セゾン 堤清二が見た未来

セゾン 堤清二が見た未来

目次

【一章】無印良品
 一節 ロンドンで感じた違和感
 二節 西友と堤からの「独立」
 三節 今は無印を、僕たちが解釈している
【二章】西武百貨店
 一節 革新は、いつも逆境から
 二節 セゾンが文化を"民主化"した
 三節 挫折の連続の中に先見性
【三章】パルコ
 一節 幻の「銀座パルコ」
 二節 パルコの流転と堤の戦い
 三節 アニメ文化に宿るDNA
【四章】専門店
 一節 ロフトを生んだ堤のひと言
 二節 リブロの静かな誇り
 三節 堤の理念、継承者たちの奮闘
【五章】ホテル・レジャー
 一節 異母弟・猶二が見た清二の夢
 二節 「共犯」だった銀行が豹変
 三節 西武の原点とグループ解体
【六章】チェーンオペレーション
 一節 吉野家買収の慧眼と矛盾
 二節 西友、「質販店」の憂鬱
 三節 ファミリーマート、誤算の躍進
【七章】人間・堤清二
 一節 「お坊ちゃん」が学んだ大衆視点
 二節 避けられなかった「裸の王様」
 三節 堤が遺したメッセージ

引用

4ページ

「商品を売るのではなくライフスタイルを売る」
「モノからコトの消費へ」
「店を作るのではなく、街をつくる」

8ページ

モーレツに働いてばかりで文化とは無縁だった大衆でも、手を伸ばせば文化的で豊かなライフスタイルを享受できる。
こう表現すれば、大衆を上から目線で啓蒙するような姿勢が目立つ。だがセゾングループは、そこを巧みなイメージ戦略で包み、ソフトにメッセージを届けることに成功した。

33ページ

世界的にノーブランドのブームが起こったのは1971年代のこと。
先駆けは仏大手スーパーのカルフールだった。ナショナルブランドを展開する食品や日用品などの大手メーカーのマーケティングから、消費者を解放して自由にする。カルフールの発想の根底には、こうした哲学があった。

48ページ

「君たちは無印良品のバイヤーの爪の垢を煎じて飲みなさい。どうせ海外での商品発掘といっても、問屋と一緒に出張して、全部問屋にやらせているんだろう」

60ページ

「堤さんは、『日本らしい』ということで商売をしていると長く続かないと言っていました。異文化を楽しんでもらっているうちに、早く価格と品質が合理的だと思ってもらえる構造を作らないといけない、と心配していたのです」

81ページ

「生活の要求の多様性、意義のある生活を送りたいという願望、生活の知恵を得たいという願い、そういう人々の要求に応えるように売り場が作られ、商品が提供されているということ」

96ページ

「脱小売業」路線を進める象徴として、堤は、情報発信基地となる全く新しい百貨店をつくろうと意気込んだ。

102ページ

糸井重里によると、吉本は「左翼政党が言っているのは革命ではない。堤清二がやっている『つかしん』の方が革命だ」と、評価していたという。

「吉本」というのは、評論家の吉本隆明のこと。

107ページ

堤は、ロボットなどの先進技術を駆使して、セゾングループの職場から、力仕事や単純作業を排除しようと考えていた。テクノロジーの進化が人間性を回復すると信じていたのだ。

124ページ

「パルコは、単なる小売業の集積ではないんだというのが、私がつくったときの考え方です。小売業に新しい風を吹かせました。テナントが集まって相互に啓発する、単独出店では採算が合わない店でも、集まって商圏を広くすれば、そういう店が欲しいという顧客が来ます」

159ページ

「マス・マーケット成熟の特長としては、『シミュレーション化』『リゾーム化』『ガジェット化』の三つを挙げることができる」

207ページ

だが清二の理念に対して、現実は厳しかった。
欧州のような長期休暇を取得できる勤め人は日本では増加せず、長期滞在型リゾートのニーズは高まらなかった。

これは残念ながら今もそう。堤清二が思った以上に日本は貧乏なままだし、日本人の性根が貧乏性から抜け出せない。

211ページ

セゾングループは売上高が4兆円以上に膨らんだ過程で、スタートした事業が利益を生む前に、銀行からの借り入れに依存しながら、次々と新しい事業に進出していた。

238ページ

「今私が一番気にしているのは、社内に変な権威意識が出ることです。(中略)それを壊すのに実は今一番エネルギーを割いておりまして」

246ページ

戦後間もない青年期、社会主義に燃えて学生運動に参加した青さを、晩年まで捨てられなかった堤。実業家としては当然、マイナスの作用も大きかった。

264ページ

西友で提唱した「質販店」も、社員にはなかなか浸透せず、空回りに終わった。抽象的なスローガンは、西友の経営の足かせになっていった。

291ページ

「私がもし、経営者としてレゾンデートルを持っていたとすれば、無印良品までです」

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単行本

セゾン 堤清二が見た未来

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本の行方

味わったので、メルカリで売却。
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